CARMEN
サンスポットの社長は、ヤエスからユニデンを経て独立しサンスポットを設立します。
CARMENは、CARとMENでCARMENとしたものです。
CARMENは、自社工場を持たなかったので、ヤエスやユニデン時代の人脈を活用し
CB機の名機を設計、販売しました。
特にVT-101は、CBが低落時に販売された為に短命で終わってしまいました。





カルメン69X

カルメンシリーズの第1号機のカルメン69Xです。
動作する機種もかなり減っていますし、トランジスターの代替が無くチバホ
ビーでも修理出来ませんでしたが、ハムセンターよっちゃん、で直ったのは
、驚きました。
よっちゃんは、補修部品のストックが沢山有りそうです。(閉店)

この69XからゴールドSPまでの特徴としてクリスタルシンセなのにチャンネル
表示がデジタルです。
変調に関しては、69Xは、見てのとうりのトランスですから、期待しない方が
良いと思います。
このシリーズは、確信犯モデルで外国でも合法運用出来ませんので、国内
の違法局専用モデルと言えそうです。

当時のライバル機としてNASA46GTかGT−Uだったのでは、と推測で
きます。
確か46GTの後期には、ノイズブランカーが追加されたと記憶しています。
当初は、ANLだけだったのを46GTに追従すぺくノイズブランカーを追加
したのでは、と考えられます。
ノイズブランカーユニットがメインの基板に無く、シルバーのスタンバイピー
基板の様に、横に追加されています。
また当初は、リレーレスだった物を、リレーを追加して、シャーシにボンドで
止める方法で後から追加していますので、46GTと差別化で商品価値をあ
げたと思われます。

パワーも後期46GTと同じ2段階切り替えです。

コンパクトなのでマイクコネクターが横についており、当時は、マイク側の
コネクターは、L型を使用していました。
このL型のマイクは、最近まで販売された型と違い、TM−Uに似ている
物です。  
 

内部の様子
リヤの様子
追加リレーと小型の変調トランス







カルメンシルバー

みんなが知っているカルメンの誉れ高きシルバーシリーズです、なかなか
販売店でも修理に入ってこなくなっているようで見る機会が減っています。
カルメンシリーズの中でも、装備が充実したモデルで販売台数が多かった
機種です。
 
69X、シルバー、スボ゜ット、ゴールド、ゴールドSPと続きましたが程度の良い
物が、少ないです。
この後にPLL搭載のカルメンスーパーは、高価だった為に販売台数が少な
く、中々手に入りません。
カルメンは、設計を外部に発注して、製造する方法です。
NASAも元々は、ユニデンの設計を改修して製造しているので、同じような
ものです。
製造は、スカ6や真空管固定CB機を製造した日新です。

シルバーからカルメン伝統のクラブチャンを3CH追加する事が可能です。
また独特なスタンバイピーが内蔵されていることです。下のアスカでも書い
たのですが独特なピー付きということで、欲しかった方も多いはず。
(ピーは、別基盤で装着されていて、後ろのスイッチでON,OFFします)
ノイズプランカーが2段切り替えになっていますが効きはいまいちです。
変調に関しては、69Xに比べて大きなトランスに変更されていますので、
かなり太く国産CB機らしくとてもよいです。
パワーも3段階切り替えです、1W,10W、5Wと変則です。
パワーコントロールも変わっていて、抵抗やトランジスターを使わないで
コントロールしています。
ちなみにパワーの出方はかなり感動もので無変調1Wで変調かけて5W
位、簡単に出てしまいます。
コンパクトなのでマイクコネクターが横についており、当時は、マイク側の
コネクターは、L型を使用していました。
販売は、改良書が55年となっていますので、それ以前に発売されたと思
われます。
また シルバーのスタンバイ基盤が壊れてしまった場合は、ゴールドのコン
プレッサーを付ける事も可能です。
オークションで初期型なのでスタンバイピーが付いて無い、と出品された物
がありますが、サンスポットによると、シルバーは、スタンバイピーが標準との
事です。
リニアの回り込みで外されたと推測されます。
ゴールドの初期型は、コンプレッサーが付いていないですけど。
外装関係は、サンスポットから提供を受けて、新品となっています。 

最大の難点は、設計時期の関係でカブリがすごいです、ハイ。

内部の様子
リヤの様子
外装







カルメンゴールド
(サンスポットから寄贈)


シルバーの後継機となる、ゴールドです。
このガールドのカラー、洋酒のロシャス・ナポレオンの外箱をイメージして作ら
れました。
前面ベーゼルの縁取りをゴールドに変更しネジ、ヒートシンクは、ゴールドメッ
キされた物を、使用して、とてもセレブな仕上がりとなっています。
普通のゴールドは、初期型には、コンプレッサーが内臓されませんでしたが、
すぐ後にコンプレッサーが内蔵されます。
これは、残念ながら、初期型なので、コンプレッサーは、ありません。
後期型は、マイクゲインの可変で無く、専用基盤による本物のコンプレッサー
なので、迫力が違います。 
コンプレッサーの追加と元々大きい変調トランスにより、変調のゴールド、ピロ
のシルバーと呼ばれていたようです。

ゴールドの売りは、スケルチが引くと地下チャンネルに素早く移動できるように
なっています。
ゴールドが発売された時代は、昭和56年で、Eスポ時にKCをダウンさせて運
用する局や増えた運用局に対する配慮だと思います。
シルバーと比べ地下チャンネル増えたのでコンパクト機ですが、チャンネル数
は、92CH実装となります。
またゴールドになってダブルファイナルに変更されて、ファイナルに余裕を持
たせて、耐久性の向上が図られています。
ゴールドにメッキされたヒートシンクもダブルファイナル化により、シルバーと比
べて、大きい物に変更されました。
リヤには、PAのジャックがありますが、PAで無く、変調モニターに変更されて
います。
リニア使用時に意味の無い、この時期良くありがちな方法ですね。
電源コネクターも変更されて独特な物で無く、SATOのNASAと同じコネクタ
ーを採用してありますので、入手も楽となりました。

 
内部の様子
リヤの様子
ダブルファイナル
 






カルメン スポット

やっと手に入ったスポットです。
コンセプトは、OF−912Tの様なカルメンの無線機です。
チャンネルは、1〜12CHまで、自分で水晶を入れます。
912と違い、水晶を1個だけの追加で良いのは、助かります。
この頃は、CBのハイパワー競争が激化した時代であり、スポットは、受信関
係に力を入れています。
出るチャンネルをユーザーが水晶を購入した方式で、クリスタル部のスペース
に内部に余裕が出来たので、今までのシリーズと違うコンセプトです。

内部で、ひときわ目に映るのは、大型のクリスタルフィルターです。
スポットは、AM専用機なのに、選択度の高い、クリスタルフィルターを装備し
ています。
また2段階のアッテネーターを装備し最大−40dBの感度を下げる事が可能
でランデブーや被り対策のために、かなり練られた設計だと思います。

今まで3段階のパワーコンは、連続可変に変更されて、リニアとのマッチング時
に合わせるのが楽となりました。
リニアによっては、最大3Wパワーで押さないと駄目な物もありますから。
 
メーターが縦型になっているのも、スポットの特徴です。
まさに玄人好みのCB機だと思います。

コンプレッサーも別基板で付けられていますので、マイクゲインをコンプレッサ
ーとするメーカーよりも、良心的です。

販売台数の少なさから、隠れた名機だと思います。


内部の様子
リヤの様子
水晶とクリスタルフィルター







カルメンゴールドスペシャル
(サンスポットから寄贈)

名機カルメンのコンパクトシリーズの最終型、ゴールドスペシャルです。
ゴールドが強化バージョンでコンプレッサーとアッテネター装備して、ゴール
ドスペシャルになります。
この無線機は、普通のゴールドでしたが、コンプレッサーを装着し、アッテネ
ターを追加してゴールドスペシャルに変更しました。
ちなみにゴールドスペシャルには、スタンバイピーが内蔵された物は、あり
ません、コンプレッサーのみです。
当時の運用局増加により、、かぶりとランデブー対策にアッテネターの追加
がしてあります。
ゴールドスペシャルになって、すぐ後に高額なパーソナル無線の時代が到
来します。
 
外装は、サンスポットに存在する程度の良いパーツを使い、仕上げました
交換した部品は、つまみ類、ネジ、ケース、などで前面ベーゼルを交換す
れば、完璧なんですけどね。
このシリーズの製造は、日新だと思うのですが、八王子から出荷されていた
と聞いたので、今となっては、謎ですね。 
しかしWJやREDFOXやPANTHR11と似た作りをしています。
 
このシリーズは、製作する部品がなくなり、製造中止となり、設計者と製造工 
場が変わり短命なPLL機カルメンスーパーに続きます。

このシリーズは、リレーが不良になると代替品が無いために、基盤に付けれ
ずにリレーをシャーシに付けて、基盤からコードを伸ばして、配線をする必
要があります。

このゴールドのコンプレッサー基板は、まだ在庫が有るようです。
 

内部の様
リヤの様子
 






カルメンスーパー 試作機
(サンスポットから寄贈)


 
カルメンの短命PLL機、カルメンスーパーです。
販売台数が少ないために、オークションに出ると高値で取引される事を見る
事があります。

このスーパーは、サンスポットの倉庫で寝ていた物を譲り受けました。
ちなみに試作機の一台で、通常の物よりスタンバイピーの基盤が小さい物
が付いています。

このスーパーは、千葉にあるラジオニクスで設計、製造されました。
ラジオニスの設立に当たっては、サンスポット側の援助がありました。
ラジオニクスの社長は、学生時代に通信機関係を学びユニデンでは、202
0を設計して、設計は手馴れた方ですが、スーパーには携われる事が無く
普段は、輸出用コードレスの設計に多忙だったので、このスーパーは、無
線を設計した事が無い部下が設計をすることになりました。
第1号の試作機を完成後に電源ノイズ除去用のチョークトランスをメインの基
盤に付ける事を忘れのに気がつき、リヤにBOXを作り、追加させています。
また新機構を盛り込んだ無線機の為に、マイナートラブルが多かったのが原
因でしょうか?販売は、昭和61年〜62年と短命でした。
またパーソナル無線の普及による、影響もあったのでは、と推測されます。

スーパーの特徴は、回り込み対策やノイズ対策に力が入っています。
マイクのコネクター部にコンデンサーとチョークが一体のEMIフィルターを
採用しリニア使用時の回り込み対策が施されています。
前記の基盤上にチョークトランスを忘れたので、逆の発想で制約が無い為に
大型のチョークトランスとコンデンサーを追加し、電源ノイズと新たに開発し
たノイズブランカーを装備しノイズに強い無線機となりました。
カルメン初のPLL搭載機でクラブチャンが有りませんがリヤにあるディップ
ス イッチによりチャンネルとチャンネルの間の周波数に出る事が可能です。
(例としては平チャンの27.095など)
TXランプは、変調計も備えており、変調の掛け具合によって、明るさが
変わります。

また、スーパーは、意欲作の為に、スーパー変調とスタンバイピーが内蔵さ
れました。
スーパー変調は、ノーマル状態では、残念ながら0Wから10Wまで吹け上
がる為に、相手局の復調もいまいちです。
現在のようなスーパー変調にする為には、下の0Wをリニアのキャリコンが
作動するまで、持ち上げる必要が生じます。
しかしスーパーの先進的な考えが、ボイスの777やアスカに受け継がれて、
スーパー変調が全盛となった事は、間違いありません。
ちなみにボイスの社長もユニデンの出身で、サンスポットとは、交流があり
ました。
ボイスのコンプレッサーのWX−209は、当初サンスポットの依頼でW9と
してボイスが製造し、その後ボイスがWX−209として、自社ブランドとして
販売していました。
スタンバイピーは、音色が、シルバーと違い、アポロトーンに変更されてい
ます。
スタンバイの基盤はコネクター式で、簡単に交換が可能な為に、後に音色
を変えたスタンバイピー用の基盤もオプションとして、発売予定だったと推
測出来ます。
このスーパーは、試作機のために、スタンバイピーの基盤が小型でトーンも
変更できませんが、実機では、スタンバイピー基盤の半固定により、トーン
が変更できました。

ツマミ類が、大型で、間隔があいているのは、男性の大きい指で暗い車内で
操作を間違えないように配慮した為です。
このツマミは、アルミの削りだしで耐久性に優れる為にVTで復活します。

スーパーは、10W機の為に当初シングルファイナルでしたが、変調やスー
パー変調の為に大型の変調トランスと高いAFゲインの為に、シングルファ
イナルでは、耐え切れずにファイナルが飛ぶ事が多発したので、ファイナル
を追加してダブルファイナルに対策した物があります。
ファイナル対策済みは、チョークトランスのBOXに1とシールが張ってありま 
すので、すぐに分かります。
独創性に優れた計画でスタートしたスーパーは、設計者の力量が足りない
ために、本当の性能を発揮出来なかった、不運の無籍です。
 

内部の様子
リヤの様子






ASKA92
 
ASKAの初期タイプで92CH実装してあります。ライバル機の72GX-Uを
参考にして作ったと聞いたことが有ります。
真似た所は、チャンネルセレクター位だと思います。
まあ72GX-Uもユニデンの真似だからと元ユニデン関係者も言ってます。
ノイズブランカーも真似で無く新たに設計しています。
ノイズブランカーは、ノイズブランカー+ANLとANLのみと、全てOFFの切り
替えが付いています。
72GX−Uは、新機構を採用されること無く、昭和から現在まで製造販売さ
れましたが、アスカは、基盤を新たに設計しスーパーで開発したスーパー変
調を改良し実装した事が、大きな違いです。
基盤の配線も72GX-Uは、昔ながらに多いですが、ASKAは、少なく仕上
がっています。
チャンネルは、72GXが24CHの3階で72CHとなっていますがアスカは、
カルメン伝統の23CHの4階建てで92CH実装です。
また特CHの水晶が4CH入れせれるようになっていますので96CHとなりま
す。
 
カルメンファンがカルメンスーパー以後無線機が無く寂しい思いをしてい
ましたが、カルメンから、やっと無線機がでると聞いて楽しみにしていたよ
うですが、シルバーやゴールドの思い入れが強かったのが、古くからのカル
メンファンよりも、新たに購入する局が多かったような感じでした。
自分も何も分からない状態で注文しました。
 
有名なシンワ無線からは,92SSBとして、販売されていました。
もし、このアスカが、カルメンスーパーの直ぐ後に出されていたら、72GXシ
リーズと同じ様に有名な機種に成っていたのでは、と思ってしまいます。
このアスカはラジオニクス社を独立した、カーオーディオ技術者により、設計
されて、平成3年に発売されます。
なぜスーパーと同じラジオニクスで設計されなかった理由は、ラジオニクスが
平成1年に倒産したからです。

無線機自体の基本性能は、高く満足が出来る無線機だと思います。
内部を見て分かるように、とても綺麗な部品の配置と大きい変調トランス
安定した動作は、さすが、名家カルメンと言った所だと思います。
大きいトランスのおかげで、変調は、太く、またスーパー変調がブレイク寸
前の時期で変調の掛かり具合によって、パワー計が上下するのがとても珍
しかったです。
パワーコンをC.Cにするとスーパー変調になり、無変調時に2Wで変調ピ
ークにて10Wまで可変しますが、メーターがLEDなので一目で確認出来
ます。
スーパー変調の下の2Wのキャリアは、内部の半固定にて1Wに調整も可
能です。
このASKAを設計時には、当初、針式のメーターを採用予定だったので
すが、この当時からまとまった数の針式メーター入手難で、LED表示とな
りました。
 
前機種のスーパーにもC.Cポジションが存在しますので、かなり以前から、
フローティングキャリア変調を実装していた事が分かると思います。
無線機としては、珍しい外装の塗装が採用されていて、傷が付きにくい柔
らかい手触りの塗装が採用されています。
カルメンの製造元は、先進的な考えを取り入れるメーカーでもあります。

ASKAも10W機ですがダブルファイナルが奢られています。
ASKAの前モデルのスーパーが、当初シングルファイナルでしたが、余り
に耐久性が無くファイナルを飛ばす事が多かったで、途中からダブルファ
イナルに変更されたです経歴を生かしました。。
また72GX−Uと違いヒートシンクが採用されていますし、ファイナルトラン
ジスターやオーディオトランジスターは、ヒートシンク部に実装されています
ので、長時間の安定動作やファイナルの保護に役立っています。
なぜ72シリーズは、ヒートシンクにファイナルトランジスターが無いのでしょ
うか?
答えは、ユニデンの回路設計がベースになっているからです。

欠点は、としては、ボリュームを一番下げても受信音が出てしまう、ノイズ
ブランカーの利きが72GXシリーズに比べいまいちでした。
ボリュームも2連の物を使って貰ったら、もっとスマートになったと思います
し、カルメン独特のスタンバイピ−の内蔵モデルが無かったのは、残念でし
た。
これは、スタンバイピー内蔵による、コストが高くなるのを防ぎたかった為と
推測されます。
この無線機は、後にサンスポットにて、スタンバイピーを内蔵させました。
リヤのアクセサリー用の電源取り出しは、同時期にだしたP2をつないで使
う為でしょうが内蔵比べ、マイク周りがスマートには、いかないですね。
またローカル、DXスイッチを切り替えてもランデブーで受信が出来なくなる
物があるために、途中でノイズブランカーの定数を変更させています。

自分は、CBを辞める時まで、アスカをジェミニのコンソールに埋め込み、
カルメンのP158(12V−400W)で400W以上出せていました。
この後リニアの低価格が進み、400Wでは、限界を感じて引退する訳です。

次男は、男なのにアスカと名づけた位にアスカがお気に入りで、外装を全て
交換し、箱に詰めて、保存してあります。
死んだら、次男の明佳(アスカ)に遺品として、あげようと遺書に書いてありま
す。

この時代は、3Wから12W位のスーパー変調を、400%過変調なんて言っ
ている時代でした。
今になっては、笑っちゃう話です。

当時のスーパー変調を売りにしていたのは、アスカとボイスの777でした。
 
 
内部の様子
リヤの様子








ASKAU

ASKAの拡販の為にメーカーが低価格にして出した69CHバージョンの
アスカです。
主な使用変更は、地下CH分の6個の水晶を無くしてありますがソケットは、
、そのままの為、6個水晶を入れれば23CHでれますし、また特CHもバン
ドごとに1CHで計4CH組めるようになっています。
またASKA92で問題となった、ランデブーやボリューム対策、さらなるスー
パー変調の吹け上がりをアップ目指し、今回はラジオニクスの社長が手直し
したモデルです。
バージョンアップでランデブー対策は完璧となった為にローカルとDXの受
信切り替えは、廃止され、ノイズブランカーを廃止してANLのみだけとなり
ました。ANLは2段階の切り替に変更です。
ANLの弊害としては、ノイズを隠すために音量が小さくなってしまいました
ランデブーの時に、ノイズブランカーが入っていると、受信が出来なくなるの
が当たり前ですが、当時は、わからない人が多かったのでしょうね。
新たにスーパー変調の切り替えを付けて、パワーコンには、に5Wの専用ポ
ジションが付いて、パワー計を見ずにで出せるようになり、リニア使用時の
パワー管理が楽になっています。
 
大きなリニアは押しの出力が5W以下なので、それに対応するためだと思い
ます。

実質、コストダウンモデルですので、クリスタルの数を減らしリヤのアクセサリ−
の電源取り出しは、無くなりました。
これで簡単にP2やQ2BOXを付けられないのは、残念な事です。
 
一時、このアスカ後期型の新品が、28MHzAM機用としてチバホビーから
限定販売されました。 
28MHzAM機は、カルメン独特なスタンバイピーを内臓しています。


内部の様子
リヤの様子







ハイブリット トランシーバー 
VT−101






カルメンのVT−101です。
当時、カミオンでチバホビーの広告で大々的に発売されました。
気になる方は、チバホビーに問い合わせてみてください。
在庫は、かなり少なくなってきたとの事でした。  
 
カルメンは一時期、スーパーが短命に終わり、無線機が無くても、カタログが
有る様にトランジスターのリニアを広範囲にラインナップしていました。
乗用車ではで12Vの100Wクラスは、カルメン製を使っていた局が多かった
と思います。

またこのVT-101は、72GX−Uを超える無線機を作ろうと、ラジオニクスの
社長とサンスポットの先代社長が企画しました。
設計者は、PLLノイズを防ぐ為、業務機の設計に手馴れた設計者を探した所、
偶然に往年のシルバー、ゴールドを設計した小池氏が現役で業務機の設計に
携わっている事が分かり、設計と製作を依頼したそうです。
昭和40年の設計と平成の設計ですから、差は歴然です。
 
外観は、真空管を採用のために先代の社長が、往年の真空管式固定機の現
物(日新製)を参考に イメージし企画した為に外観のフロントパネルやリヤバ
ネルは、当時の外装そっくりに金属板の1枚もので出来ています。
もちろんノイズブランカーの開発にも力が入っており、72GX-Uノイズブランカ
ーを超える事を目標に新た設計した物で、効きは素晴らしくノイズレス受信を
実現しました。
某CBメーカーがぱくりだと、言ったみたいですが、ニッシンとユニデンのぱくり
会社が良く言うなと関心したものです。
 
特に変わっている所は、受信部の初段〜二段目までの高周波増幅を真空管
行っています、現在は、FET使われていますが、インピーダンス の関係から
言うと真空管がベストです。 
ちなみに、この真空管は、ラジオ用の真空管を選別し使用しています。
しかも、RFの所は、エアーバリコンで同調が取っているので、コイルのQも高く
し、選択度の向上を実現しています。
ですから、28MHzに改造しても、CB帯と28MHzの感度が変わりません。
もちろん27MHzの受信可能な帯域の感度は、もちろん変わらずに、それに
配慮した送信部の設計のために、2階や3階や地下や28MHzでもパワーの
変化は、ありません。
NASA72だと、そのな芸当は出来ないので、内部のコイルを調整を1階にあ
わせて、調整をすれば、地下や2階、3階の受信感度や送信出力が変化して
しまいます。
現在でも売られているアマチュア機?の72CH機が、昭和40年頃の設計です
から、しょうがないと言えます。
基本は、ユニデン設計の23CH機の設計に改良を加えて、現在まで販売し
ているのですから。 (ある意味、尊敬に値します?)
しかしVTは、内部のコイルを調整する事無く、外部のツマミを回すだけで、バ
リコンによる広範囲な受信の同調が取れます。
またCBと28MHzの感度が変わらないと称して、販売されている?無線機が
現在も、ありますが、スイッチで受信回路の電圧をかえてノイズアップしている
に過ぎません。
本当の感度アップをするならば、追加で最低でもFETを使った、受信アンプを
内蔵させるべきです。

新たに採用したIF-SHIFTは、混信除去(CB帯の特有のかぶり対策用)に
搭載されています。(YouTubeで確認できます。)
他チャンネルからの混信(かぶり)に対して、IF帯域を、ずらす事で混信から
逃げる事が可能となります。
また455KHz中間周波数用のフィルターも72GX-Uと同様なシャープな
帯域な物を採用されている効果も大きいと思います。
同チャンネルでは受信周波数を微調整で、相手局のFズレや受信音を変え
ることが可 能で、実際に長時間、混んでいるチャンネルをモニターして聞い
ていたのですが、選択度、受信音、ノイズレスで、素晴らしいと思いました。

普段あまり使わないスケルチとマイクゲインのボリュームは、リア側に付けて
ある所は、カルメン伝説の実戦重視の考えが強く出ています。

送信変調の音信も、前面のスイッチで変更出来るのは、さすがカルメンで流
行に敏感なメーカーと言ったところです。
これは、イコライザー専用ICを使い、送信変調を変化させています。
高い、電池式のマイクは、不要です。
また変調の掛け方が、終段で無く、ドライブのみに掛けている所などは、真空
管式の固定機や101の変調をイメージしたと思われますが、噂で聞かれる様
な変調自体の掛かり自体に問題は無く、余裕あるファイナルで波形は、山型
にならずに何処までも伸びて行くような波形は、スーパー変調そのもので、今
までのCB機と違う事が一目で判ります。
付属のマイクに自社でマイクも販売しているカルメンならでは、標準のマイクも
ロック式でマイクもVT用の選別品なので、新たに買わなくても良い所なのは、
素晴らしい配慮です。

送信は、ファイナルにモトローラを採用してあり、CB用のリニアが押しにくい
ために定番2098に変更された物も存在します。
しかし2098に変更すると、この無線機の売り、パワーの伸びが、全然無くな
ってしまいますので考え物です。 
現在アマチュア3級用にCB機のハイパワーがヤフオクで高値で取引されます
ので、現在では、好都合だと思います。
手持ちの物は、無変調時に20W、変調ピークで35W出力となっています。
モトローラーを使用した訳は、先代の社長がファイナルを飛ばして、ユーザ
ーに迷惑を掛けたくないとの想いから、パワーに余裕ある、モトローラを採用
してファイナルを飛ばし難くする為の配慮です。
ノーマル時に迫力ある変調を出そうと、トランスの大型化や余力有るトランジ
スターで設計すると、ファイナルのダブル化や耐久性があるトランジスターを
選択するのは、必然となる気がします。
名機と名高い、72GX-Uは、何十年前の回路を改良を重ねているのでシン
グルファイナルですが、やはり飛びやすいですね。

チャンネル制御は、PLL方式で、40+5CH×3で135CHと内部に クラブ
CH用の水晶ソケットがあり、実装すれば141CHとなります
がクラブCH用に水晶を用意しようとするためには、送受信で2個必要となり
ますので、高く付きますね。
しかしクラブチャンネル部は、各チャン毎に発振コイルがあるので、かなり広
範囲な周波数帯域に対応している事が分かります。 
また51CHから55CHの+5CHは、CHとCHの間の周波数に出る事が出
来ます。
PLLながら、クリスタルシンセサイザーのCB機と同じように扱う事ができる面
は、良く考えられています。
またこのPLLは、プログラム可能で、チャンネルの仕様変更が可能で歯抜け
無しにも変更できるので、28MHz機は、23×2で46CH+6CHと、水晶制御
と同様のチャンネルを実現しました。(周波数の選択は、自分が考えました)
クラブチャンに28.305の水晶をいれて、他チャンネルにQSYするのが、
使いやすいです。 
VTの立ち上げ段階にPLL方式の採用を決めたのですが、問題となるPLL
のホワイトノイズを早くから問題にして、業務機を参考にして設計し、PLLの
ホワイトノイズを上手に除去してあります。
クリスタルシンセサイザーの方が、真空管式の固定機のイメージに合うのです
があえてPLLを採用したのは、受信部や混信除去にコストを掛けたために、
販売価格を抑えて販売したいからと思われます。
クリスタル制御ですと水晶代に、かなりの金額が掛かります。
そのために当初は、スタンバイピーが省かれたと予想することが出来ます。
現在のVT101Sでは、スタンバイピーが標準で付いた物があります。

また、真空管使用のため大きさが1DINで無く、取り付け様のブラケットや本
体にネジ穴が無く、乗用車での設置は、少々悩みそうです。
しかしトラックでは、逆に存在感があって、良いと思います。

この無線機は、受信を真剣に考えられて作られた無線機なので、局数の多
いチャンネルやEスポ時の使用で、お勧めな無線機です。
実際に、購入した局が受信に対して文句無く満足している所を聞くと、この
無線機の受信性能を物語っています。
パワーだけ上げれば良いと考える局が多いのがCB帯ですが、受信にも気を
使っては、いかがですか?
下手に改造して高い代金を払うよりも、VT−101の標準ですべてが付いて
きますから、購入後は、長く遊べる無線機です。
28MHzのAM機として出ている物は、CB帯が受信のみ、スタンバイピーを
内蔵、コンプレッションをアップして販売されています。
 
ちなみにプリモのガリゴリン改と合う無線機だと思います。
有名なスワンさんも紹介しています。
こちらをクリックしてください。

 
内部の様子
リヤの様子



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