TS-50 改造(AM変調強化)のページ

電球を緑に交換してみました。 なぜか緑目ですね

<注意!>

 ここでは、KenwoodのTS-50の改造について、私が行った改造について紹介したいと思います。しかし、半人前の私が行ったものでKenwoodとは全く関係なく、同じ改造を行っても動作に保証はできませんのであらかじめご了承ください。ご質問されても詳しくは答えられないかもしれませんが、質問、御指導お待ちしております。m(__)m

 以前、私はYAESUのFT-1011を使用していました。SSBの変調は良く、おまけにAMの変調もよく気に入っていました。AMではマイクゲインを全開にしても変調が崩れず、深い変調が出すことができました。同時にTS-50も使用していましたがSSBはいい変調なのですが、AMの場合は大きな声でしゃべるとすぐ変調はつぶれてしまい恥ずかしくてAMはフレンド局とスライドしても声を出せない状態でした。

 そんな時、CQ出版社の「HFトランシバー120%活用ガイド」の169ページ(FT-1011)を見ているとこんなことが書かれていました。

 「RFタイプのプロセッサーではレベルコントロールが不可能なAMモードには、きちんとプAFタイプのクリッパーを用意しています。(図4−8−4) たとえ使う機会がほとんどなくても、AMモードをつけた以上はきちんとしたものを!・・・・・とする姿勢のようです」

と、書かれていたのでときました。FT-1011とTS-50の回路図を比べて見ると、バランスモジュレーターは共通のμPC1037Hを使用しており!!!ときました。それで、行きつけの無線機屋(今は半分パソコン屋)の店長に相談しAFタイプのクリッパーをTS-50にそっくり移植してみることにしました。

<AM変調強化基板について>

 TS-50で使用されているμpc1037HA(IC-8)及び他の無線機(TS−850等)で使用されているAN612等のバランスモジュレーターは、AMモード時の場合、入力が過大すぎる場合は変調が歪んでしまいます。しかし、SSB、及びFM時においては問題ないのでリレーを使用してAM時のみ入力レベルを制御するものとしました。なお、この基板は、ASTATICの575M6等、コンプレッサー付きのマイクを使用してください。ノーマルマイクですと深い変調がかかりません。もしくは追加基板の2SC458B(Q3029)を緩衝増幅ではなく回路を変えてください。

<回路図>

回路図はサイズが大きいのでプリントアウトしてみてくださいm(__)m

TS−50基盤追加付近回路図 TS−50バランスモジュレーター付近

基板回路図 AM強化基板回路図です。

 以前、手書きで書いた回路図です。汚くてすみませんm(__)m 参考になれば幸いです。リレーはAM+B(クリスタルフィルターの下)から直接動作させようとしましたが、容量が足りないせいか動作しませんでした。そこで2SC1815を使用し簡単な電源スイッチを作ってみました。基盤の入力ラインはC141の近くでもいいのですが最短距離でTP-7のところに接続しました。

<追加基板作成にあたっての注意事項>

・ TS−50のスペースは非常に狭いので電解コンデンサーは、ちょっと値段が高くなりますが小さいサイズの物を使用してください。 

コンデンサー 

・ 右3個が通常のサイズのコンデンサーです。それに対して左三つは背が低くなっています。TS−850等は通常サイズで問題ありません。皆さんご存知だと思いますが電解コンデンサーはなるべく耐圧の高いものを使用しましょう!耐圧が低いものより部品の寿命が長いですから。

 横

 上

 マイクラインと電源ラインは必ずシールド線を使用してください、回り込み防止のため。

<基板取り付け方法>

  1. TS-50の上下のケースをはずします。

  2. 両のサイドの上のネジをはずし、下のネジはゆるませフロント部分を前に傾けます。

  3. 無線機上側の基板をはずし、後方へ裏返します。

  4. 基盤の半田面のC141を外します。回路図を良く見て間違いのないように外してください。C141はIC-8の近くに付いています。 ドライバーの先端部分です。すでにC141は外してあります。

  5. 各配線はシールド線を使用して下しさい。

   入力   →基板の上側のTP-7へ(下記の画像のVR7の上あたりです)

   出力   →C141のQ41側へ

   AM時8V→クリスタルフィルターの下に隠れているAM+Bへ (CWB、SSB、AMB、FMBと並んでいるところです)

   常時8V→CN16の8番ピンへ

   GND   →アースへ

  6. 作業をする場合は必ず電源をOFFにしてください。

  7.取り外したC141はなくさないでください!ノーマルに戻せなくなります

< 調 整 >

  1. 調整にあってはアンテナまたはダミーロードを接続してください。

  2. SSBモード、FMモードで送受信問題ないでしょうか?

  3. SSBからAMモードに切り替えたとき、リレーが「カチッ」と切り替わっているか確認してください。

  4. マイクロフォンはASTATIC575M6、固定ではシルバーイーグルがFBですね。

  5. 基板の入力レベルの全開でも問題ないでしょう。好みで調整してください。

  6. モニター用の無線機を用意してください。高級な無線機でなくAMだけの弁当箱がいいですね、調整がしやすいので。 NBは切って調整してください。 DSP付の無線機等はNGです、

  7. TS−50のマイクゲインはメニューモードB66で「LOW」に切り替えてください。「HI」ですとSSBの場合変調があまり 良くないです。

  8. TS−50本体のIC−8の近くの「VR−10」は真ん中ぐらいにしてください。ちなみにノーマルのAM入力調整はこの「VR−10」だけですからここを絞っても大きな声を出すと変調がつぶれてしまうのです。

  9. TS−50をAMモードにして電波を出しマイクをモニター用の弁当箱のスピーカーへ持ってゆきハウリングさせます。

  10. ハウリングさせながら追加基板の出力レベルの半固定VRを少しづつ上げていくと最初はきれいにハウリングしています。しかし、あるレベルを超えると歪はじめます。歪はじめたということは入力レベルを超えたということですので、その直前に設定してください。

<AMパワー調整>

TS−50のAM時、キャリアレベルが調整できません。パワー調整(H,M,L)でも変更できますがSSBからAMにした場合いちいち面倒ですので半固定ボリュームで調整できるようにしました。アンプを使用する場合安心ですね!AMは電波が出っ放しですので。

  1. AM時は低電力変調ですのでキャリアは25Wに設定されています。R235(8.2KΩ)を変更することによりパワー設定できます。 ドライバーの先端部分です。すでにR235は外してあります。

  2. R235を取り去り、10KΩの半固定ボリュームにすることにより0から30Wの間で設定できます。私はAM基 板のところにVRを固定しシールド線で配線しました。

  3. キャリアレベルを上げすぎると変調が悪くなるかもしれませんので注意してください。私は10Wあたりに設定し700Bを押していま した。

ご不明な点があれば掲示板または直接メールでお願いいたします。TA7060APはTA7060PでもOKです。CQ誌に出ている「サトー電気」で1個¥150です。あとTS−50はスペースが狭いですのでコンデンサーは必ず背の低いものを使用してください。
ところで基板のキットが欲しい方いますでしょうか?